鍛造とは・・・刀は鍛造技法、仏像は鋳造技法で造るといわれています。鍛造技法は、金属をたたく(鍛える)ことで、より強い金属を作る技法です。これが『鍛えて造る』鍛造です 。現代では、加熱炉で金属を高温に熱しハンマー等で叩いて圧力を加えるという方法で、様々な鍛造製品が造られています。
小川鉄工の前身は、戦国大名に仕えた刀鍛冶で、藤兵ヱ(屋号)鍛冶として刀、火縄銃、農機具、工具などを造り当時の生活を支えていました。大正4年(1915年)からは、企業体となり日本の重工業を支えてきました。小川鉄工として現在は、長年培ってきた熱間鍛造技術に最新の技術も加え、高い精度強度が求められる乗用車部品、トラック部品、建設機械部品を製造し、素形材産業の一員として産業の発展に貢献しています。
小川鉄工では、叩く方法としてエアドロップハンマーとフォージングプレスの2種類の方法を製品、ロット数により使い分けています。
①回転炉
自社にて適正な大きさに切断した鋼材を、回転炉で高温に加熱し、変形・加工しやすくします。
②エアドロップハンマー
加熱することで加工しやすくなった鋼材を、金型の上におき、加速させたハンマーで叩いて目的の形状にします。大きな圧力がかかるので、複雑な形状に対応できます。
熟練鍛造工が、ハンマーでたたく回数、リズム、強弱を使い分けながら目的の形状に仕上げていきます。
③トリミング
ハンマーで叩くことで金型に鋼材が充満しますが、金型からはみ出た余分な鋼材をプレス機によって切断します。
フォージングプレス
電気炉で加熱した鋼材を金型に挟み込み、油圧により高い圧力をかけて目的の形状にします。ハンマーによる鍛造よりも、大量生産に向いています。
金型とは、温めた材料が所望の形になるように、ハンマーやプレス機に取りつけるものです。上下2つで材料を挟み込む作りになっています。
小川鉄工では、お客様からお預かりした図面をもとに、3次元CADデータおよび型製作用のデータを作成し、最新加工機マニシングセンターおよび放電加工機により全自動で鍛造用金型を製作しています。できた金型は熟練の技術者により手作業で微調整が加えられ、仕上げられます。
小川鉄工では、以下の鋼材を鍛造可能です。
・一般構造用圧延鋼材(SS材)
・機械構造用炭素鋼鋼材(S-C材)
・クロムモリブデン鋼鋼材(SCM材)
・高炭素クロム軸受鋼鋼材(SUJ材)
・ステンレス鋼材(SUS)
・その他鋼材